ブランドの創始者であるタト・バルデルが、履き心地がよく、フォーマルな場でも履ける適切なジーンズを見つけられなかったことがすべての始まりだった。そのため、彼は完璧なジーンズを探すことにした。徹底的なリサーチの結果、バルデルが行き着いたのは日本のクラボウ・デニムだった。ある種のストレッチ技術を含んだデニム生地だ。この生地を使うことで、ヤコブ・コーエンのジーンズはエレガントなだけでなく、これまでにない履き心地を実現した。この上質な生地を使用し、ギリシャの軽石を使った特殊な洗い加工を施すことで、製品の寿命も長くなっている。
ヤコブ・コーエンは、ヴェネト州出身のイタリア人テーラーの名前である。この地方は世界的に有名な都市ヴェネツィアで知られている。予想に反して、ヤコブ・コーエンはブランドの創始者ではない。創業者はタト・バルデッレで、それまでに亡くなったテールルールに敬意を表してブランド名をつけた。そのテールルールは、時代を超越した芸術的なデザインで知られていた。そのことと、彼が50歳前後で亡くなったことを除けば、ヤコブ・コーエンについてはあまり知られていない。2003年、タトーの息子ニコラ・バルデルが父の後を継いだ。ニコラのクリエイティブな起業家としての頭脳のおかげで、このブランドは現在、世界40カ国以上で販売されている。
2012年にニコラ・バルデルが急逝したとき、会社は大きな打撃を受けた。ニコラの妻であるジェニファーは、創業当初から同社と強い絆で結ばれていた。そして彼女はクリエイティブ・ディレクターとして指揮を執り、夫ニコラの理想を引き継いだ。ニコラが父親からバトンを受け継いで以来、すでにレディース向けのものも生まれていたが、ヤコブ・コーエンのレディースラインはまだ歴史が浅い。ヤコブ・コーエンのレディース・ラインは、エレガンスと着心地の良さを特徴としている。ヤコブ・コーエンのレディースラインは、ニコラの妻であるジェニファー・トマッシが手がけている。